韓国野党は8日、日韓首脳が7日の首脳会談で昨年12月の慰安婦問題の合意を再確認したことに相次いで反発した。野党指導者たちは合意の無効や日本大使館そばに設置された「少女像」の移転反対を主張。韓国国会では今月下旬、行政機関を調査する毎年定例の国政監査があり、野党は政府を激しく追及する構えだ。
最大野党、共に民主党の秋美愛(チュミエ)代表は8日、元慰安婦や支援団体の韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会の関係者らと面会し、「合意は無効で再交渉すべきだ」と主張。「(元慰安婦らの)同意のない和解・癒やし財団の発足自体が深刻な冒瀆(ぼうとく)、名誉毀損(きそん)だ」とこき下ろした。
国民の党の安哲秀(アンチョルス)前常任共同代表は8日、元慰安婦が共同生活を送る「ナヌムの家」(京畿道広州市〈キョンギドクァンジュシ〉)を訪問。7日の首脳会談での安倍晋三首相の発言について、「少女像への言及自体、適切ではない。少女像は象徴。いかなる試みも許されない」と語り、日本が求める移転に反対した。
野党は26日に国会である外交省への国政監査で、証人として出席する財団理事長や外交省の当時の担当局長から事情を聴く。韓国政府関係者は「国政監査の結果が、今後の韓日関係の行方を占う一つの試金石になるだろう」と語った。(ソウル=牧野愛博)