キリンホールディングスは、ベトナムやカンボジアなど東南アジアのメコン地域への進出を検討する。成長が見込める市場開拓を急ぐ考えだ。国内市場では味覚や製法にこだわった「クラフトビール」に注力して巻き返しを図る。

磯崎功典（よしのり）社長が７日、朝日新聞のインタビューで明らかにした。

国内市場の縮小を見据え、キリンは海外戦略を加速させてきた。２０１１年にブラジルのビール会社を３千億円を投じて買収したが、政情不安やコスト高で業績が悪化。キリンの１５年１２月期の純損益は、上場以来初めての赤字に陥った。

より安定的な海外市場として着目するのが、「文化圏が日本に近い」という東南アジアだ。タイで「一番搾り」を販売し、昨年８月にミャンマー企業を買収。「まだまだ楽しみな市場」として、ベトナムやカンボジアを進出候補に挙げた。

両国ともに若年層が多く、経済成長率も６～７％と高いため、ビール消費量の伸びが期待できる。進出時期は「できるだけ早く」として、現地企業と組んで進める意向を示した。

キリンは国内のビール系飲料販…