NHKの籾井勝人会長は8日の定例記者会見で、「ワンセグ携帯も受像器の一つだ」として、これまで通り受信料を徴収する考えを示した。さいたま地裁がワンセグ放送を受信できる携帯電話を持っているだけでは受信料を支払う「義務はない」と判断したことに反論した。総務省はNHKに契約実態を調べるよう求めたが、籾井氏は「ワンセグの契約が何台あるかは調べようがない」と述べ、調査しない考えも示した。
ワンセグ携帯、NHK受信料の支払い義務なし 地裁判決
NHKはさいたま地裁の判決を不服として控訴している。籾井氏は「総務省は我々の解釈を支持してくれると期待している」と話した。NHK広報局は「ワンセグ付き携帯を保有していることを理由に受信契約を結んでいるケースはあるが、件数は把握していない」と説明。「ワンセグ放送が始まった2006年4月から契約の対象にしている」という。
NHKに受信料を支払う「受信契約」について、放送法64条は「(NHKの)放送を受信できる受信設備を設置した者は(中略)受信についての契約をしなければならない」と定めている。一般家庭との契約は世帯ごとにNHKが結び、推計で全世帯の79%が受信契約を結んでいるという。15年度のNHKの受信料収入は6625億円だった。(上栗崇)