NHK職員が受信料を着服し、幹部がその事実を約3カ月間公表しなかった問題で、高市早苗総務相は13日の閣議後記者会見で、「ガバナンス(企業統治)を強化するこれまでの取り組みが不十分だった」とNHKを批判した。NHKが2019年に始めたいとしているテレビ番組のネット同時配信の実現時期などにも影響する恐れがある。
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高市氏は12日にNHKを厳重注意した際、堂元光副会長に「不祥事はまず事案を公表するべきだ」と助言したという。着服そのものに加え、事実を隠したことに組織としての問題があるとの見方だ。
NHKは子会社元社員が詐欺容疑で逮捕されるなど、不祥事が続いている。総務省の有識者会議「放送を巡る諸課題に関する検討会」では、NHKが求めるテレビ番組のネット同時配信解禁に向けた議論と、不祥事を防ぐためのガバナンス強化の議論が同時に進んでおり、二つはいわば「アメとムチ」の関係。NHKはテレビを持っている世帯で受信料を支払っているのは77%と推計。ネット同時配信は、ネットで番組を見る人からも受信料を取るのが大きな目的で、NHKは放送法で同時配信を制限されているため、会議で法改正を認める方向性を打ち出してもらう必要がある。
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