テレビ番組のネット同時配信などについて話し合う総務省の有識者会議が26日開かれ、NHKは同時配信の実現に必要な放送法の改正を求めた。民放側からは、多額の投資が必要な配信のシステムづくりを、NHKと民放が共同で進めるべきだとの意見が出た。
会議では、フジテレビジョンの大多亮常務が「テレビの将来のため(同時配信に)チャレンジしなければ」としたうえで、「民放は受信料を使えるNHKのように赤字を垂れ流せない」と指摘。「(配信の)プラットフォーム構築をNHKと民放が一緒にやっていくべきだ」と話した。
番組を配信するには、大容量のサーバーなどのシステム構築に多額の費用がかかるが、民放にとって広告収入などの収益増は見通しにくい。大多氏の意見は、各放送局共通の配信システムを作るための初期投資にNHKの受信料も充てる可能性を探るよう求めたものだ。
一方、日本テレビの石沢顕常務は「(民放とNHKが併存する)放送の二元体制が崩れかねない」と、NHKの同時配信に懸念を示した。テレビ朝日の藤ノ木正哉専務は「ローカル局には視聴率の低下などで影響が出るのでは」と述べた。(藤崎麻里)