フィリピンのドゥテルテ大統領=AFP時事
フィリピンのドゥテルテ大統領は9日、訪問中のインドネシア・ジャカルタで講演し、フィリピンの麻薬捜査の手法に懸念を表明した国連の潘基文(パンギムン)事務総長について、「おまえもばかの一人だ」と批判した。AFP通信などが伝えた。
ドゥテルテ氏は下品なタガログ語で米オバマ大統領をなじり、会談延期を招いた。ドゥテルテ氏は、この件について、「大統領個人ではなく米国務省に対して言った」と弁明。フィリピンで麻薬犯罪の容疑者が司法手続きを経ずに殺害されていることについて、米国務省が「『人権問題』として脅しをかけてきたことが頭にきた」という。オバマ氏と対面した際にも釈明したことを明らかにした。
多くの批判を受けている「非合法な殺人」についてドゥテルテ氏は、「麻薬犯罪撲滅のキャンペーンはやめない。犯罪者に慈悲などかけない」と言い切り、「(批判は)関係ない。私はフィリピンの大統領であって、国際社会の大統領じゃない」と述べた。
9日のインドネシアのジョコ大統領との会談では、両国とマレーシアが共同で南シナ海の海賊対策に取り組むことを確認。「海賊対策のためならインドネシア軍がフィリピンの海域に入ってもかまわない。ぶっ飛ばしてやれ」と話した。(ハノイ=鈴木暁子)