「バカボンのパパよりバカなパパ」主演の玉山鉄二さん=家老芳美撮影
「天才バカボン」や「ひみつのアッコちゃん」を世に送り出した漫画家、赤塚不二夫が他界して今年で10年。NHKでは30日から、赤塚の生き様を娘の視点から描いたドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」を放送します。ドラマで赤塚を演じる俳優の玉山鉄二(38)に、「バカの天才」と呼ばれた赤塚の人生の読み解き方を聞きました。
玉山鉄二さん「バカボンのパパよりバカなパパ」に出演
――バカボンはアニメで見ていたと聞きました。
小学校の夏休みになると必ず、テレビアニメが帯番組でやっていました。
――赤塚作品の中で、好きな作品やキャラクターはありますか。
そうですね。たくさんあるんですけど、ウナギイヌも好きだし……。
赤塚さんの描くキャラクターって、主役もそうですけど、主役以外の本当にささいなキャラクターが、すごく際立っているんですよね。その背景まで見えて。
子どもながらにアニメを見ていて印象に残っているのは、表向きはただただギャグ漫画なんですけど、切なく苦しくなる瞬間があった。それは当時の自分ではどうしても理解できなくて。何もわからないんだけれど、なんか切なく、いやな気持ちになることがあった。すごく暗い子だったので、たぶんバカボンが持つ暗い部分を敏感に感じちゃっていたのかもしれません。
――赤塚役をオファーされたときは、「自分ではないんじゃないか」と思われたそうですね。
当時の僕にはまだ、赤塚さんについてのうわべだけの印象と知識しかなかった。がむしゃらにギャグ漫画を描き続けて、バカをやり続けた男。それくらいしか情報がなかった。ですけどその後、自分なりに調べて、ドキュメンタリーなど当時の赤塚さんの映像を拝見すると、僕が当初持っていたイメージだけではなくて、戦争体験をした上で、笑いのすばらしさみたいなものを伝えようとしていたのを知りました。
――没後10年というタイミングで、赤塚さんを演じる意味は、どういうところにありますか。
そもそもこの作品を引き受けた…