女子シングルス(車いすクラス5)予選で香港の選手からセットを連取してガッツポーズする別所キミエ=9日、ブラジル・リオデジャネイロのリオ中央体育館、金川雄策撮影
(9日、卓球女子)
68歳。日本代表最年長選手が、卓球女子シングルス(車いす)の予選を突破した。別所キミエ(兵庫県障害者スポーツ交流館)は「次もやるしかない。ひたすら打ち返します」。2008年北京大会から、これで3大会連続での準々決勝進出だ。
マツコ×別所キミエ こんな68歳いないわよ
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愛称は、輝きを意味する「シャイニー」だ。「化粧は、目力やから。アイラインをしっかり描いてきた」。その言葉通り、9日の予選リーグでは鋭い眼光で、会場でひときわ目立った。頭にはピンクや青のチョウの髪飾りが38個。爪には、ブラジルと日本の国旗をデザインしたネイルが光った。
予選は3人1組で戦い、上位2人が準々決勝に進む。初戦は、ロンドン大会の金メダリストで、世界ランキング1位の中国選手。素早い球足に対応しきれず、ストレート負け。8時間後の香港選手との試合では、左右に振って相手のミスを誘って快勝した。
兵庫県明石市出身。骨盤にがんが見つかり、44歳のときに車いす生活に。リハビリで始めたのが卓球だった。04年、56歳でアテネ大会に初出場。障害者のイメージを変え、選手としていつまでも輝きたいと、身なりにこだわってきた。
北京大会も前回のロンドン大会も、5位。「いつも5位から上がってないんでね、もうちょっと上にあがりたい。というか表彰台にあがりたい。ほっとしている場合やない」。引き締まった表情で会場を後にした。(坂本進、斉藤寛子)