国民栄誉賞受賞決定の記者会見で、花束を手に、指で4連覇のポーズをする伊調馨選手=13日午後4時33分、東京都新宿区西新宿2丁目、西畑志朗撮影
国民栄誉賞に決まった伊調馨の一問一答は次の通り。
伊調馨「信じられない気持ち」 国民栄誉賞決まり会見
――受賞を一番誰に伝えたいですか。また、受賞の際の記念品に欲しいものはありますか。
試合の時に最後は母が助けてくれたと言ったので、母に伝えたい気持ちもあるんですけど、母はきっとこういうだろうなと思っています。「死んだ人間に感謝するのではなく生きてる人間に感謝しろ」と。これまで自分のことを支えてくださった関係者の皆さま、そして、私が拠点として練習でお世話になった警視庁第6機動隊の皆さんには、横断幕作ってくださったり温かく迎えてくださったりしたので、一番伝えたい方々かなと思います。
欲しいものは、五輪に4度出場させていただいて、これからまた世界に出ていく機会が増えていくと思うので、着物や日本人女性としての誇りである和装の文化を伝えていきたい気持ちも、この年になって出てきました。おねだりできたらいいなと思います。
――つらかった時期、苦しかった時期は。
練習はもちろん厳しいものですし、厳しい練習をしなければやはり世界ではいいレスリングができないですし、ましてや勝てないと思っています。その練習をいかに楽しくというか、自分一人では乗り越えられない練習も、仲間がいることで乗り越えられたりするので、苦しいとかつらいとおもいながらでも楽しくやってきたかなと思います。こういう結果だったり、成績が出せたのはレスリングの研究、追求を勝つこと以上にこだわってやってきたからではないかなと思います。
――印象に残っている試合は。
長いことやってきているので、五輪のどの試合も印象的ですし、最近の試合ではリオ五輪というのは一番鮮明に残っている試合でもありますし、決勝の試合は本当に悔しい内容で、できればもう一度あの選手と戦いたいなと思います。
――4連覇を達成したあの瞬間、自己採点を30点とおっしゃった。国民栄誉賞も獲得しました。振り返って、レスリング人生の総採点は。
自分の中ではまだ通過点というか、まだまだこれから自分のレスリングはどんどんいいものをつくっていきたいと思っていますし、これから若い世代にも自分が教わってきた技術、考え方、取り組み方、そういうことも指導していきたいなという気持ちもあるので、これまでの自分のレスリング人生はまだ半分かなと。50点くらいをつけます。
――通過点という話があった。…