銀メダルに輝いたインドのディーパ・マリク
インド人女性として3大会ぶりのパラリンピックに出場したディーパ・マリク(45)が、リオデジャネイロ大会の女子砲丸投げ(車いす)で銀メダルを獲得した。「インドの女性障害者に対する偏見、タブーを破るためにここに来た。社会の見方を変えられる価値あるメダルで本当にうれしい」と満面の笑みを見せた。
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幼い頃に発症した脊髄(せきずい)の腫瘍(しゅよう)が、28歳のときに再発。胸から下が動かなくなった。「普通に生活したかったが、インド社会はそういう環境ではなかった」。障害があるなら家でおとなしくしていた方がいい――。車いすで外出すると、街でそんな言葉をかけられた。
マリクは「インドでは女性の地位が低く、中でも障害がある女性は男性の障害者に比べて低く見られる」。国際パラリンピック委員会によると、インドはパラリンピックに1968年大会から11回連続で出場。今大会を含め、これまでに95人の選手が出たが、女性は12人しかいない。
「障害者に対するイメージを変えたい」。マリクは36歳のころから、水泳や陸上を本格的に開始。陸上の国際大会で好成績を収めると、講演やテレビ出演の依頼が入り始めた。少しずつ、社会の目が変わってきていると感じるという。
初めてのパラリンピックの舞台…