ドイツ政府は13日、過激派組織「イスラム国」(IS)からの指令でテロを計画した疑いで、シリア人とみられる男3人を逮捕したと発表した。3人は昨年11月に偽造パスポートを使って、難民のルートとなっていたトルコ・ギリシャ経由でドイツに入国したという。
デメジエール内相が会見で明らかにした。発表によると、逮捕されたのは、17歳、18歳、26歳のいずれもシリア人とみられる男。北部シュレスビヒホルシュタイン州で逮捕された。3人はISからテロの指令を受けて入国した疑いが持たれており、うち1人は武器や爆発物を扱う訓練を受けていたという。具体的なテロ計画については明らかにされなかった。
発表によると、3人が入国する際、2015年11月にパリであったテロの容疑者らの入国を仲介したグループが、関与していたという。偽造パスポートの製造元も同じだったという。
捜査当局は、同州の難民収容施設や居宅などを捜索し、数千ドルの現金や携帯電話などを押収した。数カ月前から内偵捜査を続けていたという。
ドイツでは今年7月に南部バイエルン州でアフガニスタン難民らによる襲撃事件が発生。メルケル首相の難民の受け入れをめぐって国内が大きく揺れており、今回の事件も一石を投じそうだ。(ベルリン=高野弦)