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漫画「スラムダンク」の作者・井上雄彦さん(49)とバスケット選手との対談企画の第5回は、抜群の攻撃センスで日本代表のエースとして活躍が期待される比江島(ひえじま)慎(まこと)選手(26)。
特集:B.LEAGUE 主役に迫る
■シーホース三河・比江島慎選手×漫画家・井上雄彦さん
井上 昨年、リオデジャネイロ五輪の予選を兼ねたアジア選手権で18年ぶりの4強入りに貢献した。いまやバスケファンは比江島選手を日本のエースとして認識し、期待している。
比江島 エースと言われるのは、正直……。自覚しなきゃいけないと思うんですけど。そんなに言われても、という気持ちがあります。特に、日本代表になると話が違いますね。背負うものが大きいというか……。
井上 日本のバスケファンが抱いている比江島像と、自分で思う姿は一致している?
比江島 自分が一番うまいとか、思ったことはないです。
井上 比江島選手のプレーは、つかみづらい。飄々(ひょうひょう)としていながら、突然1対1を仕掛けるときの速さは、見ていて「ウワッ」と驚いてしまう。
比江島 説明が難しいですね。相手が対応してきたら、その逆をつく。スピードというよりはタイミングで相手をずらす、というイメージでしょうか。プレー中、自分でも何考えてるんだろう……。本能に近いと思います。
井上 リオ五輪で40年ぶりの出場を目指したものの、世界最終予選でラトビア、チェコに2連敗し、夢はかなわなかった。
比江島 公式戦で欧州のチームと真剣勝負をしたのは自分にとって初めてでした。大きい選手ばかりなのにシュートは入るし、パスもステップもうまい。アジアに比べるとレベルが一つも二つも上でした。
井上 組織としての力はどうだった?
比江島 相手の方がコートを広…