石井啓一国土交通相は20日の閣議後の記者会見で、航空会社の国際線に二酸化炭素(CO2)の排出規制を課す国際的な枠組みに、日本も参加すると正式に表明した。国交省によると、規制は参加国を結ぶ国際線にかかり、米国や中国、欧州各国など約50カ国が参加を表明済み。2021年から導入される見通しだ。
今月下旬から始まる国連の国際民間航空機関(ICAO)の総会で枠組みについての合意をめざしている。航空業界全体の20年のCO2総排出量を21年以降に増やさないことを目標に、各航空会社に排出量の上限を割り当てる方向だ。石井国交相は「国際航空分野で効果的な温室効果ガス削減の必要性がある」と語った。
ICAOは、低燃費機への切り替えやバイオ燃料の利用増に取り組んでも排出量が上限を超えた企業に対して、超過分を排出削減を果たした企業などから買うよう促す方針。国際線の多い航空会社には負担増になりそうで、運賃に転嫁される可能性もある。