国連の潘基文事務総長(右)と握手する安倍晋三首相=20日午後、米ニューヨークの国連本部、代表撮影
米ニューヨークを訪問中の安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日午前)、国連本部で、オバマ米大統領と言葉を交わし、5回目の核実験を強行した北朝鮮に対する国連安全保障理事会の新たな制裁決議に向け、日米で緊密に連携していくことを確認した。
日本側の説明によると、両首脳は、オバマ大統領主催の難民サミットの会場で立ち話をしたという。安倍首相はバイデン米副大統領と21日に会談する。
首相は20日午後、国連内で潘基文(パンギムン)事務総長とも会談した。潘氏が「北朝鮮の核問題は、安保理メンバーの日本と緊密に連携をしていきたい」と述べたのに対し、首相は「北朝鮮の行動を変えるには、圧力を強化していくほかにない。北朝鮮の暴挙は国連の存在意義に対する挑戦だ。事務総長自身が厳しいメッセージを表明してほしい」と強調。新たな制裁決議の採択に向け、潘氏に指導力を発揮するように求めた。
一方、20日午後にニューヨークで開かれた主要7カ国(G7)外相会合では、北朝鮮の核実験をめぐり、「挑発行動に効果的に対処するため、更なる重要な措置をとる」などとする声明を発表。国連安保理の制裁決議に向けて、G7で協調していく意思を示した。
会合では、北朝鮮による拉致問題についても「即時に解決」させることを求めた。南シナ海問題では、中国の権利主張を否定した常設仲裁裁判所の判決を「紛争の平和的解決に向けた取り組みの有用な基盤」と評価。軍事拠点化を進める中国を暗に牽制(けんせい)した。(ニューヨーク=小林豪、石松恒)