衆参両院の正副議長の「議論のとりまとめ」に7党会派が17日、意見をつけた。内容は次の通り。
天皇退位、特例法で与野党合意 今国会で成立させる方針
天皇退位、衆参正副議長による「議論とりまとめ」全文
【民進党】
・皇室典範の付則により、退位が事実上恒久的に制度化されたものと理解する
・退位は例外的措置との立場には立たない
・特例法に盛り込まれた事情は、将来の天皇の退位の際の考慮事情として事実上要件化されたものと理解する
・女性宮家の創設等については、国会で議論を開始すべきで、1年を目途に結論を示すべきだ
・政府の有識者会議は極めて限定的な課題を扱っており、名称なども含めて見直すべきだ
【共産党】
・立法理由が「退位を認めることについて広く国民の理解が得られている」ことにおかれるなら、憲法にてらして適合的だ
・「おことば」を政治の側が「重く受け止めて」立法措置をとるとなると、憲法に背いた政治的権能の行使ということになりかねず、不適切であり同意できない
・「象徴としての行為」のすべてを肯定的に評価する記述は、同意できない
・「とりまとめ」は、全会派を拘束する文書とすべきでない。今後の国会審議を縛るものとしてはならない
【日本維新の会】
・「とりまとめ」は、特例法を制定すべきだとの当初からの主張が反映された
・皇室に係る諸課題の議論を行う場を早急に国会にも設置すべきとの主張があったことや、それを受けての今後の方向性についての内容が盛り込まれていない。国会における議論の場の方向性についても記載を求める
【自由党】
・議長案は、陛下のおことばを忖度(そんたく)しているとはいえず、また、お言葉を受けた国民の総意に十分寄り添うものになっていない
・開かれた議論の場を国会に設け、女性宮家の創設を含む皇室典範改正の議論を進め、今国会中に成案を得るよう努めるべきだ
【社民党】
・各党各会派が一致したことを重く受け止める
・退位は将来の全ての天皇にも適用される制度とするべきだが、一代限りを主張する政党も「これが将来の先例となる」と認めているので、あえてこだわらない
・憲法で、皇位は男女の区別や男系・女系の区別をしていない。皇室典範で「皇統に属する男系の男子」としているにすぎない。女性天皇、女性宮家などについても議論を行うことを要請する
【無所属クラブ】
・特例法は、その目的に沿う有効期間を付した時限立法とすべきだ
・「女性宮家創設」に加え、「旧宮家の皇籍復帰」も明記して、双方の議論を含め速やかに検討を進めることが必要だ
・最終的には衆参正副議長の判断を尊重する
【日本のこころ】
・少数会派にも十分に配慮し、極めて慎重かつ丁寧に意見を聴取した
・「とりまとめ」にある、「安定的な皇位継承を確保するための女性宮家の創設等については」の部分から、「女性宮家の創設等」を削るようにして欲しい