中国商務省は18日、北朝鮮産の石炭の輸入を19日から今年末まで停止すると発表した。すでに通関手続き中の石炭にも適用する。北朝鮮による核実験に対する国連安全保障理事会の制裁決議を執行するための措置としている。中国への石炭輸出が重要な外貨獲得手段となっている北朝鮮には大きな打撃となりそうだ。
昨年11月の安保理決議では、核やミサイル開発の資金源を断つために北朝鮮の石炭輸出に上限を設けた。今年は「年間約4億ドル(約460億円)」か「年間750万トン」となっていた。商務省の発表は、この上限に達したかどうかについては触れていない。
中国は昨年12月にも、年末までの3週間ほど輸入を停止する措置をとった。昨年分の上限に達する可能性があったためとみられているが、今回はそのときに比べても禁止期間が格段に長くなる。
中国税関当局の統計によると、昨年の中国の北朝鮮からの石炭輸入量は約2247万9260トンで、金額では約11億8900万ドル。北朝鮮からの輸入総額のうち、石炭の割合は5割近くを占めていた。
北朝鮮は今月12日にも中長距離弾道ミサイル「北極星2」を発射。国際社会からは、中国が安保理決議の制裁を完全に履行していないとの批判が上がっており、王毅(ワンイー)外相は今月17日の岸田文雄外相との会談で、決議を履行する重要性については一致していた。(北京=延与光貞)