経済産業省は27日、東京電力福島第一原発の廃炉や賠償などの費用を、広く国民に負担させる新たな仕組みを検討する有識者会議の初会合を開いた。原発を保有する大手電力が電気料金からまかなう原則を改め、4月の電力自由化で小売りに参入した「新電力」の利用者にも負担させる案を軸に検討する。
有識者会議「電力システム改革貫徹のための小委員会」のメンバーは大学教授や企業経営者など14人。小委員長には電力自由化に詳しい山内弘隆・一橋大院教授(公共経済学)が就いた。年内に報告をとりまとめ、来年の通常国会に電気事業法改正案の提出を目指す。
会議では、東電が2兆円と見込む福島第一原発の廃炉や賠償の費用がどこまで膨らむか、誰にどのような形で負担させるかが論点となる。経産省は新電力の利用者にも負担させる考えだが、与党内からは早くも、大手電力が背負うべき負担をつけ回す「東電救済策」という批判が出ている。