企業の人員削減を支援する人材会社に対する規制強化に伴い、リストラの指南を受けられなくなった企業が社員を解雇する事例が出てきた。外資系音楽大手、ワーナーミュージック・ジャパンによる解雇は無効だとして、マネジャー職の男性(54)が同社を相手取り、地位確認を求める労働審判を東京地裁に近く申し立てる。
男性側によると、ワーナーは昨夏に早期退職を募集し、約30人が応募した。ワーナー元幹部によると、人材大手リクルートホールディングス(HD)の子会社が、リストラの進め方などを助言。総務担当だった男性にも幹部らが面談を繰り返し、応募を促した。男性は断り続け、今年8月に解雇された。ワーナーは男性の出向先探しも一時検討し、人材大手テンプHDの子会社がかかわっていたという。
解雇通知書には「厳しい決算が見込まれ、社内に業務が見つからず、出向先を確保する見通しも立たない」などと記されていた。男性側は内部資料などに基づき「経営が悪化しているとは言えない」と反論。男性が加入する東京管理職ユニオンの鈴木剛委員長は「退職に追い込むための支援を得られなくなり、解雇したのではないか」とみている。ワーナー広報は「訴訟が考えられる事案なので、取材への回答は控えたい」としている。
再就職支援のための国の助成金…