熊本県は28日、最大震度7の地震に2度見舞われた熊本地震による県内の被害額が3兆7850億円にのぼるとの試算を公表した。半分以上は住宅などの建築物が占める。県が独自に被害額を試算し、総額と詳細を公表したのは今回が初めて。
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28日にあった県議会常任委員会で県が復旧・復興プランの改訂版を提示。被害額は、この改訂版に9月14日現在の被害額として盛り込まれた。熊本地震による被害は、内閣府が5月23日に推計値を公表し、県内分は1・8兆~3・8兆円に上るとされていた。
一部破損も含めて約17万棟の被害が出た家屋や宅地の被害が最も多く、2兆377億円にのぼった。次いで被害が大きかった商工関係では、建物や設備などの被害で8200億円。道路や橋、河川などの公共土木施設も2685億円。このほか、農林水産関係や文化財など13項目ごとに被害額を示した。
県は28日の県議会常任委員会で、国と民間が単独で行う事業を除いた復旧復興事業費約2兆6千億円のうち、県負担が5591億円に上るとの試算も示した。
復旧・復興プランの改訂版には、「復興を担う人材の確保・育成と若者の県内就職促進」など4項目を工程表に追加した。(小田健司、大畑滋生)