トルコのエルドアン大統領は29日、7月のクーデター未遂事件を受けて全土に出した3カ月間の非常事態宣言について、「延長はトルコの利益」と述べ、延長する考えを表明した。期間は「12カ月でも足りないかもしれない」としている。ただ、トルコではクーデター未遂や相次ぐテロで観光客が急減しており、非常事態の長期化は「もろ刃の剣」となる恐れもある。
エルドアン氏は同日、首都アンカラで演説し、「テロ組織を一掃するため(もっと)時間が必要」と訴え、非常事態宣言の延長を主張。同氏が28日に招集した国家安全保障会議も「民主主義、法の支配、国民の権利と自由を保護する」として、延長を勧告した。
現在の非常事態宣言は7月21日に発効し、10月18日に終了予定。トルコの憲法によると、非常事態宣言は最長4カ月間で、回数に制限なく延長が可能。国会(一院制、550議席)の承認が必要だが、与党の公正発展党(317議席)と、極右の民族主義者行動党(40議席)は延長に賛成姿勢で、承認は確実だ。
トルコは観光関連産業が国内総…