自民党の二階俊博幹事長は29日の二階派会合で、「いつ選挙があってもよい準備を怠りなくやっていく。特に衆院はいつ来るか分からない」と述べ、衆院の解散総選挙に備えるよう呼びかけた。「年明け解散」の臆測が政界に広がる中、政権幹部や自民各派の会長からも「解散風」をあおるような発言が続いている。
二階氏は「解散がどうだこうだと新聞に載ると気分の良いものではないが、そういう世界に我々は身を置いている。お互い覚悟の上でこの世界に入ってきたわけだからがんばろう」と呼びかけた。
他の派閥会長からも解散を意識した発言が続いた。麻生太郎財務相は「いよいよ次の選挙も近いと言って歩いている顔もある。顔つきが違う」。細田博之総務会長は「年内3カ月、大いに仕事をし、いつどういうことがあっても大丈夫な準備も怠らず頑張っていただきたい」。額賀福志郎元財務相は「衆院の先生方が戦う番。常在戦場で緊張感を持つことが大事だ」。
28日には公明党の山口那津男代表が講演で「ここから先はいつ解散があってもおかしくない」と言及するなど、与党幹部の発言が新たな発言を呼んで反響しあい、「解散風」を吹かす状況になっている。菅義偉官房長官は29日午後の記者会見で二階氏の発言について問われ、「次の選挙に向けて常在戦場というのは当然のこと。幹事長がそういう話をされたとすれば、当たり前のことを当たり前に言ったんだろう」と述べた。