英国のメイ首相が2日、与党・保守党の党大会で行った欧州連合(EU)離脱についての演説をめぐり、複数の英メディアは、メイ氏がEU単一市場への参加よりも、移民規制の強化を重視する「離脱強硬派」に傾いていると分析した。
EUへの離脱通知「来年3月末までに」 英首相明言
英国内ではEU離脱の方針をめぐり、単一市場への参加継続の代わりに、EUの基本原則「人の移動の自由」も受け入れるべきだとする「穏健派」と、移民の流入を抑制する一方で、EU域外との貿易関係を強化する「強硬派」の間で綱引きが続いている。
メイ氏は2日の演説で、穏健派と強硬派の二分論を「誤り」と否定。「移民規制と欧州との貿易が両立できない関係とみるのは間違いだ」と述べて、ノルウェーやスイスといった従来のEU非加盟国とは異なる、EUとの関係を模索する考えを示した。
英ガーディアン紙(電子版)は、メイ氏が「EUを離脱するのに、移民規制を再び断念することはない」と強い調子で述べたことから、「移民規制を優先し、強硬派に傾くと示唆するものだ」と分析。オンラインメディアのインディペンデントも「移民規制が核心にある」と評した。(英中部バーミンガム=渡辺志帆)