「あぶれ手当」をめぐる不正の構図
日雇い労働者が仕事を得られなかった日に受け取れる雇用保険の制度について、会計検査院が全国59の公共職業安定所の実態を調べたところ、半数以上の32の職安で不正支給が見つかった。判明しただけで約110人の労働者が計約9千万円を不正に受け取っていた。調査は抽出で行われたため、不正はさらに広がっている可能性もある。検査院は厚生労働省に不正防止策の徹底を求める方針だ。
この保険は日雇労働求職者給付金(通称・あぶれ手当)で、日雇い労働者が仕事を得られなかった日に、4100~7500円が支給される。
受給するためには、日雇手帳を取得し、前月までの2カ月間で計26日以上日雇い仕事をしたという実績が必要。労働者は働いた日ごとに雇用主に雇用保険印紙を手帳に貼ってもらい、これにより要件を満たしていることを証明する。
検査院は各都道府県にある47労働局のうち、12局59職安で2013~16年度の給付金の支給状況を調べた。すると、上野(東京)や大阪港労働など32の職安で不正が見つかった。不正受給が判明した約110人は計約1億5千万円を受け取っていたが、このうち約9千万円分は要件を満たしていなかった。
仕事をしていない日に印紙を貼…