大阪府立高校の9割近くでトイレのほとんど全てが和式で、老朽化も進んでいるとして、松井一郎知事は7日の府議会で、早期に全校に洋式トイレを導入する方針を示した。生徒や保護者から「汚い」「臭いがひどい」と苦情が寄せられているという。
府教育庁によると、1970年代に建てられ、その後トイレが改修されていない高校が多く、府立高校138校のうち約120校でほぼ設置当時の状態。ごく一部が洋式トイレの学校もあるが、大半が和式という。便器が割れたり扉の板が腐っていたりして、学校からも「生徒がトイレに行きたがらない」と声が上がっているという。建物の耐震化を優先し、トイレの改修は後回しになっていた。
この日の一般質問で、公明党の八重樫善幸府議が「劣悪な環境」と指摘すると、松井氏は「今の家庭は洋式トイレ。和式では生理現象を我慢し、勉強に身が入らない」と説明。全校で生徒が洋式トイレを使えるようにする考えを示し、「少しでも早く改修したい」と述べた。
府教育庁は配管や床などの改修も進め、1校あたり約5千万円、計約55億円かかると試算している。府は来年2月議会に関連予算案を提出する方針。(太田成美)