中学校の「制服」は必要?不要? 価格の面から取り上げてきた中学校の制服の記事、そして今回のシリーズに対し、教職員や制服メーカー・販売関係の方々からメールや手紙が届いています。きょうと明日に分けて学校関係者の声と、制服を作り、売る人たちの声をたどります。まずは、先生たちの制服に対する見方と、学校の取り組みを紹介します。 【アンケート】中学校の制服、どうする? 二つの中学校が統合して昨年度に開校した大阪府守口市立樟風中学校から便りが来ました。 同校は、制服価格を安くしようと統合の前に校長や生徒指導担当の教員、PTA関係者らによる「制服検討委員会」を設置。1年以上かけて会議を重ね、制服が必要かどうかという議論から始めました。 吉本卓校長は制服のない海外の日本人学校での勤務経験があり、制服は必ずしも必要ではないと考えたそうです。ただ、教員から「私服だと服装指導に時間を取られる」、保護者から「私服を買うより安い」との意見が多く、導入を決めました。 校区内の4小学校の全保護者にアンケートでデザインなどの意向を尋ね、紺色のブレザータイプを選びました。ベストやセーターは希望者のみの購入とし、女子の制服はパンツも選べるようにしました。 競争入札では、安価で複数の販売店で購入できることなどを条件に公募し、メーカー5社から提案を受けました。最終的に価格が安く、学校の要望に迅速に対応できると評価した会社の制服に決めました。 ブレザーはウールとポリエステルの比率を変えた2種類を設け、男子が税込みで1万5920円と1万7920円、女子は1万4820円と1万6820円に設定。吉本校長が勤めた統合前の学校より3千円近く安くなりました。学校は安い方を推奨しています。2種類とも見た目には区別がつかないそうで、生徒間で問題は起きていないそうです。 シャツについては、意見は割れました。色を指定したシャツも検討した末、生地が良くてフォーマルな形のニットシャツに決めました。ほかに、体操服や卒業アルバムも競争入札にするなどして、それぞれ数千円安くなったそうです。 話し合いを経て、夏冬の新制服一式の値段(長袖半袖のシャツ2枚ずつ含む)は、推奨ブレザーの場合に女子がスカートで4万6220円、男子が4万5520円になりました。 制服価格が高いと言われる理由について吉本校長は「学校側の前例主義が大きい」と言います。修学旅行は数年ごとに担当会社を見直しますが、制服は見直す機会が少なく、業者主導になりやすい。「保護者は子どもを学校に預けており、不満があっても本音を言えない場合がある。だからこそ、学校が保護者目線で負担軽減を進めることが大事」と話しています。(石原孝) ■対策、学校だけでは限界 「学校独自でやれることは限られる」。制服の価格を抑える方策について、東京都足立区の、ある区立中校長はこう言います。「学校は業者の言い値で高く買わされている、と批判があるのは知っている。でも誤解を恐れずに言えば、言い値じゃない買い方ってあるでしょうか」。学校独自のデザインで、買える店は限られるため、「価格を比較できるものがない」と話します。 不要になった制服をリサイクルし、小売店に「お直し」のサービス向上を交渉するなど、学校でできる努力はしてきたそうです。ただ、原材料費も上がるなか、デザインも素材も変えないまま学校が値下げ交渉をすることは極めて難しいと言います。「小売店だけでなく、卸業者や製造元も含め業界全体でどのくらいコストダウンが可能か、という話になってくる。学校単体で対応できる話ではありません」 こうしたなか区教育委員会は昨年度から今年度にかけて、制服や体操服など入学時に保護者が買いそろえるものの価格を、36ある区立中から聞き取りました。こうした調査は全国でも珍しいそうです。杉岡淳子・教育政策課長は「学校間の価格差を把握し、保護者の負担を軽くする方法を検討するため」と説明します。 調査の結果、制服上下、ワイシャツやブラウス、ネクタイなどの合計は、約2万5千円から約4万円と学校によって開きがありました。通学バッグや体操服なども合わせると平均で約6万4千円だったそうです。 杉岡課長は「各校の制服には地域の方々の意見も聞きながらデザインを決めた経緯や、学校と指定店との関係もある。すぐに価格を見直すことは難しい」とした上で、「地域の方や校長らの意見も聞き、購入先の選択肢を増やして利便性を高めるなど、保護者の負担を減らす具体策を考えていきたい」と話しました。(三島あずさ) ■教職員の声は アンケート「中学校の制服、どう思う?」に寄せられた、「教職員」の声です。 ●「日本で教師経験があり、現在米国在住の教師。日本の学校における制服の意味を見直すべき。学校と制服で利益を得ている指定業者との関係も見直しが必要。米国の学校で使用されているような、動きやすく洗濯もしやすく、店にこだわらず簡単に手に入るガイドラインに沿った色やスタイルのパンツ、スカート、シャツで十分。成長の激しい時期だからこそ、着やすく入手と買い替えが楽なものに」(海外・50代女性) ●「制服無しでうまく行っている公立中はあるのか? 制服をなくしたら荒れて、復活させたら落ち着いたという話なら聞いたことがあるが……」(東京都・40代女性) ●「私は私立に勤めているが、裕福な家庭でも知り合い間で制服の譲渡は日常的に行われており、物を大切に扱うという観点からも、制服をお下がりすることを美徳として受け止める風潮を作ることも大切ではないかと思う」(東京都・30代女性) ●「現場では、服装を正しく着こなすことの意義を指導しているが、自分たちのやっていることに、疑問がないわけではない」(愛知県・40代男性) ●「中学校として、家庭で洗濯しやすい素材のものに変えたり、袖口のボタンが無いタイプのものに変えたり、スカートのひだの数を減らして安価なものに変えたりしている。夏服の上はポロシャツのみ。ワイシャツやブラウスは採用していない」(北海道・40代女性) ●「何を着るかはその人自身が決めるのが当然です。そのことを否定するに足りるだけの強力な根拠は示されていないように思います。制服は、子どもたちを支配するのに都合がいいだけのものと考えます」(群馬県・50代男性) ●「『制服』を望んでいるのはだれか、保護者であり、家庭であり、地域である。これは厳然とした事実である。『中学生になったら制服がある』というのは、何だかんだ言われようとも『日本という国の風土』なのであり、人々にすりこまれている。このことを私たちはまず認識すべきである。学校批判、教育制度批判をするなと言いたい」(千葉県・50代男性) ●「教師です。この国においては、『常識』的な服装が求められる場面が多く、その場の『常識』に自分の外見を落とし込んでいくことに慣れていかねばならないのが現状です。ひとつの指標として、制服を『正しく』着る指導は、現状にかなっていると言わざるをえません」(兵庫県・30代女性) ●「制服を着たい着せたいという生徒・保護者が多くを占めるから制服なのです。生徒に制服をキチンと着させろという地域社会があるから学校は指導するのです。形式的に学校に裁量があるように見えますが、実質的には学校に選択肢はありません。世論調査の手法で多数派の意向を調べるとハッキリわかるハズです。学校指定の品物をどこで買わせるかは、教育問題ではありません。地域社会を支える中小商店や学校の需要に支えられた制服業者と、中学生を持つ家庭の経済問題のバランスをどう考えるかという行政の問題です」(東京都・50代男性) ■「経済的負担、留意を」文科省通知 文部科学省は、制服について「各校の規則などに基づくもの」と、基本的に学校や教委に任せています。しかし最近、制服や学用品の価格に保護者らの関心が高まっていることは認識しています。 9月23日、経済的に困難な家庭の小中学生に支給する、就学援助関連の補助金事務に関する局長通知が出されました。この中に「通学服等の学用品等の購入等に関して、保護者などの経済的負担が過重なものとならないよう留意すること」という一文を初めて入れました。制服などの価格に配慮するよう求める狙いがあったそうです。 ◇ |
中学校の制服、安くできないか 学校の実情・取り組みは
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