太刀浦コンテナターミナルのETC認証システムを利用したコンテナの流れ
九州北端の北九州港太刀浦(たちのうら)コンテナターミナル(太刀浦CT、北九州市門司区)に、ETCを使ってコンテナの出入りを管理する最先端の技術がある。地元港運8社と荷役を担う関門コンテナターミナル(KCT)が導入した。豪州である国際会議で、ETCを港湾荷役に応用した異例のケースとして紹介される。
9月末。太刀浦CTの第1コンテナヤードは、朝から喧噪(けんそう)に包まれていた。コンテナを運ぶ特殊車両ストラドルキャリアの「ピー、ピー、ピー」という警告音。ガントリークレーンがコンテナをつかむ音。トレーラーのエンジン音――。
無秩序にも見えるが、KCTのヤード作業所長、松永晴義さん(47)は「コンピューター制御なんです」。1日1千本ものコンテナについて、船から下ろしてどこへ置き、どのトレーラーに積むかをキャリアやクレーンの端末に指示する。20年前に導入されたTACTOS(タクトス)というシステムだ。
それまでは、荷主に代わり海運貿易を引き受ける港運業者が早朝や深夜、ヤフオクドーム5個分のヤードを歩き、コンテナを一つずつ確認して、荷役の段取りを考えた。松永さんは「考えられないほどアナログだった」と苦笑する。
そして昨年10月、「ETCゲート認証システム」の試験運用が始まった。作業部長の浜田欣一郎さん(59)は「トレーラーがゲートを通る時間が大幅に縮まった」と利点を挙げる。
現在のシステムでは、ゲートで…