フィリピン政府は13日、ドゥテルテ大統領が、記者の殺害や報道機関への脅迫事件に関する専門調査機関を発足させたと発表した。同国では9月末のドゥテルテ氏の「ヒトラー発言」を報じたロイター通信の記者2人がネット上で脅迫を受け、退避する事態になっている。記者の殺害事件の多さは長らくフィリピンの汚点だったが、ドゥテルテ氏はこの問題に取り組むことを表明した。
ドゥテルテ氏は、フィリピンで殺される記者の多さを指摘したデータを引用したうえで、「報道関係者の殺害や攻撃は、法の裁きを受けずに何でもできるという風潮につながる。報道機関によるまっとうな反対意見を政府機関などが脅迫や暴力で黙らせていると非難されてきた」とした。
米国のNPOジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると、1992年以降に殺害された記者の数がイラク(174人)、シリア(94人)に次いで多いのがフィリピン(77人)だ。国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチも2014年の報告書で、フィリピンが「ジャーナリストにとって世界で最も危険な場所の一つ」としている。
発足した調査機関には国家警察…