これまでに発行された主なパンフレット。1985年以降は、いずれもペーパークラフトになっている
大阪・新世界の通天閣は28日、再建から60周年を迎える。名物の一つに、切り取って組み立てるミニチュア通天閣が付いた無料パンフレットがある。「あべのハルカス」を始めとする高層建築物で周りの景色は様変わりしたが、大阪らしい変わらぬ遊び心が、ファンの心をつかみ続けている。
■お持ち帰りできる遊び心
通天閣の展望台へ通じる2階のエレベーター前に、「ペーパークラフト付き」と記したパンフレットが積まれている。「もろてええの?」。訪れた客が、次々と手を伸ばす。
四つ折りで、通天閣の歴史やうんちくを紹介。裏面に13個のパーツがデザインされ、ミシン目が入っている。切り離して組み立てると、高さ約18センチの通天閣のミニチュアが完成する。各パーツにはツメと穴があり、のりは必要ない。
この「おまけ」が登場したのはいつなのか。通天閣観光の高井隆光副社長(41)に調査を依頼。資料をひっくり返してもらっていた今月5日、同社のロッカーから、第1号とみられる1985年当時のパンフレットが見つかった。
2代目通天閣は、開業翌年の57年度に約155万人だった入場者が、75年度には20万人を割り込んだ。初めてペーパークラフトが付いた85年度も、約28万人と低迷していた。第1号は「ミニチュアおもちかえり通天閣」と題され、パーツは手描き。ミシン目はなく、のりしろがあった。
様々な営業努力もあり、入場者…