取材ノートを見返す佐藤陽さん(左)ら同朋高校放送部の生徒たち=名古屋市中村区
戦争を体験した人たちの言葉を後世に残そうと、若者たちが知恵を絞っている。映像、演劇、写真――。それぞれの方法で、戦争体験者の記憶を表現しようとしている。
■女性視点の記録映像
私立同朋高校(名古屋市中村区)の放送部は、2010年から元日本兵や沖縄戦を題材に記録映像を撮り続けている。12月の完成をめざし、4作目の「女たちの戦争」を制作中だ。
前部長の3年、佐藤陽(みなみ)さん(17)は「戦争は戦場で戦った男性の視点から語られることが多い。女性が戦争を通じて何を考えたのか知りたかった」と話す。3年生が中心になって取材を始め、引退と同時に下級生にバトンを渡した。
取材では、動員学徒として軍需工場で働いたり、引き揚げ船で看護に従事したりした女性に話を聞いた。彼女らは、佐藤さんよりも若い14、15歳で銃の部品を造らされ、遊びや恋にかける時間を限られた。
「女性が戦争に深く関わり、戦場へ行った男性とは違う苦しみや痛みを経験していた」。そのことを映像で伝えたい。戦後70年の昨夏から撮りためた映像素材は約10時間に及ぶ。
放送部は今後、沖縄戦で看護学…