宇宙ビジネスへの民間への参入は拡大しつつある。昨年11月に打ち上げられたH2Aロケットは、国産ロケットとしては初の商業衛星の打ち上げで、製造などは三菱重工業が担った=鹿児島県の種子島宇宙センター
国内のベンチャー企業が宇宙ロケットを開発するとき、どんなリスクが考えられるのか――。こうした宇宙ビジネスをめぐる法律上の問題を研究するグループが東京弁護士会に誕生した。宇宙産業の拡大が見込まれる中、法律家の活動の範囲が広がれば、という狙いがある。
特集:もっと!ロケット
日本では国会が1969年に「宇宙開発は平和目的に限る」と決議。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を担ってきたが、各国で宇宙関連の事業が成長する中、政策を大きく転換した。防衛目的に道を開き、民間投資を促す宇宙基本法が2008年に成立。宇宙産業を5兆円規模に成長させる目標を立て、民間の参入を促す宇宙活動法案を今年の通常国会に提出した。
同法案は、民間による人工衛星などの打ち上げを許可制とし、打ち上げ時には失敗時の事故を想定した損害賠償保険への加入を義務づけるなどの内容が盛り込まれている。今国会で成立すれば、18年に民間だけでの打ち上げが可能になる。
こうした動きを受けて、東京弁護士会の若手弁護士を中心に「今後の仕事の可能性」を探ろうと5月に集まった合宿で、出たアイデアの一つが宇宙だった。9月下旬、6人が参加した「宇宙部会」の初会合では、「国内では宇宙についての法律の分野が確立しておらず、ビジネスが先に走っている」「『下町ロケット』のような宇宙関連の製造業に、法的な支援ができるのでは」などの意見が出た。
今後、宇宙ビジネスのリスクや…