リニア中央新幹線の全線開業の前倒しを巡り、国土交通省の奥田哲也鉄道局長は26日、政府の財政投融資(財投)の活用で、建設するJR東海の負担を5千億円ほど減らせるとの試算を明らかにした。民間金融機関よりも低金利でお金を借りられるためだという。公的資金による特定の企業への「支援」に対して、批判も出そうだ。
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この日の衆院国土交通委員会で、野党議員らの質問に答えた。JR東海は、リニア中央新幹線の事業費のうち3兆円を財投から借り、2045年の全線開業の予定を最大8年前倒しする方針。財投から国交省の外郭団体を通してJR東海に貸せるようにする法改正案が、今臨時国会に提出されている。
石井啓一国交相は、リニア全線開業で「国土構造が大きく変革され、日本経済全体を発展させる」と述べ、財投の活用はJR東海の経営支援が目的、との見方を否定した。