中国中車傘下の中車大連機車車両有限公司が24日に明らかにしたところによると、同社が独自開発した中国の次世代中低速リニアモーターカー車両は、このほど上海で量産化に入る前のシステムのテストを完了したという。同車両の量産化の条件が整い、これから集中的に生産が行われて市場に投入されることになる。中国新聞網が伝えた。
説明によると、この次世代中低速リニアは最高時速160キロメートル、最小平面曲線半径が50メートル、最大勾配は100‰(1千メートル進んで100メートルの高低差)。すでに運行されているリニア車両に比べて、速度が速く、カーブと坂道の運行能力がさらに高まり、さらに柔軟な都市路線計画を可能にし、トンネルなどのインフラ建設を減らすことを推進・実現できると同時に、建設コストも大幅に引き下げることが可能だ。
業界関係者は、「現在の都市軌道交通方式の中で、地下鉄は市街地の大規模輸送ニーズに応えられるが、『建設コストが高い』、『騒音が大きい』、『駅間の距離が長い場合は速度がやや遅い』というマイナスがある。ライトレールは輸送量が中レベルで、高架化工事の費用は地下鉄建設費の約3分の1で済むが、同じように駅間の距離が長い場合には適さない。路面電車は建設費が安いが、輸送量が小さく騒音が大きく、駅間の距離が長い場合にも適さない」と指摘する。
こうした方式に比べ、国産次世代中低速リニアは中レベルの輸送量の交通方式で、「振動や騒音が小さい」、「登坂能力が高い」、「最小曲線半径が小さい」といった優位性がある。速度、カーブ、坂道での3つの総合的技術指標を同時に満たしているが、これは現時点では他の方式の軌道交通では実現できないことだ。
大連機車によると、このリニアは同社が独自開発設計した新型リニア技術理論の実践・応用の成果だ。初代リニア技術は9種類の運行状況で安定した浮上が可能だったが、次世代リニアは27種類の運行状況での安定した浮上を可能にした。これは浮上技術の飛躍的進展であり、重要な評価指標だ。同時に、第1世代リニア技術の欠点を踏まえ、このリニアは加速度、運行速度、カーブの走行能力、登坂能力、快適性などの性能を全面的に向上させたという。
2017年6月、中国初の次世代中低速リニアテスト車両が上海で路線運行テストをすべて完了し、テストでの運行速度は時速121キロメートルに達し、中低速リニア速度の世界記録を更新した。18年11月には、第1号車両が大連市にある同社の旅順新工場エリアでラインオフし、車両の静態試験を終えた。19年1月、同車両は上海に運ばれ、動態試験の準備作業を展開していた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月26日