片岡優貴君の手のひらに安心したように乗るウズラのよっちゃん=松戸市
千葉県松戸市の男子中学1年生が夏休み中に電気行火(あんか)で温めたウズラの卵が孵化(ふか)して2カ月経った今では大きく成長した。学校の自由研究にと取り組んだものだが、失敗を重ねながら1カ月以上かけてヒナが誕生した。両親は「生命の不思議さを学んで貴重な体験になったと思う」とウズラの元気な姿に目を細めている。
特集:どうぶつ新聞
孵化させたのは同市立六実中学1年の片岡優貴(ゆうき)君(12)。県内の高校の生物部がウズラの孵化実験をしているテレビ番組を見て「夏休みの自由研究に自分もやってみよう」と考えたのがきっかけだ。
インターネットで調べると、自動孵卵(ふらん)器を販売していることがわかったが、「それでは研究にならない」と、電気行火を購入。37~38度の温度管理を確認した上で7月20日と27日に近所のスーパーマーケットでウズラの卵1パックずつを購入、合わせて20個を温め始めた。うち6個は電球にかざすと中に血管のようなものが見えてきたが、その後は成長が止まってしまった。
8月に入り全国一のウズラ卵の生産を誇る愛知県産の卵を近所のスーパーで見つけ、孵化率が高そうだとその20個を再び温めたところ、6日目に4個の中で動きが見えた。その後は6時間おきに保温箇所を90度ずつ変える転卵の作業を両親と姉の桜姫(さき)さん(17)の4人で交代しながら続けた。
予定日の17日目になっても気配はなく、諦めかけていたが、8月26日夜、父親の成幸さん(51)がリビングで段ボール箱の中から「ピヨピヨ」という鳴き声を聞いた。翌日昼にもう1羽が孵(かえ)り、合計2羽の孵化に成功した。1羽目の孵化が3日遅れだったので「みっちゃん」、2羽目が「よっちゃん」と名付けた。
みっちゃんは半月ほどで死んだ…