蓮の花の台座が下を向いている本尊の倒蓮華阿弥陀如来像=京都市中京区
京都の寺社など21カ所が参加する「京都非公開文化財特別公開」(京都古文化保存協会など主催、朝日新聞社特別協力)が28日始まる。京都市中京区の安養寺では、台座の蓮(はす)の花が通常とは逆に下向きに開いた珍しい阿弥陀如来像が公開される。
秋の京都文化財公開
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本尊・倒蓮華(さかれんげ)阿弥陀如来像で、高さ約1・8メートルの寄木造(よせぎづくり)。最近の調査で鎌倉時代の作とみられることがわかった。下向きに八葉の蓮華をかたどった台座に立つ姿が、女性を極楽往生させるという阿弥陀如来の誓いを示しているという。永観堂の見返り阿弥陀などとともに洛陽六阿弥陀巡りの一つとなっている。ほかに細長く切った金箔(きんぱく)で文様を繊細に表した「截金真向(きりかねまむかい)阿弥陀如来立像」なども公開される。
特別公開は11月7日まで、1カ所あたり大人800円、中高生400円(日程、料金とも一部異なる)。問い合わせは京都古文化保存協会(075・754・0120)へ。(久保智祥)