リプレー検証の結果、判定がセーフに覆ったクロスプレー=23日、マツダスタジアム
プロ野球の日本シリーズで初めて適用されたリプレー検証を巡り、ネットで賛否が渦巻いた。判定にビデオ映像の力を借りるのは野球の妙味を損なう行為なのか。
特集:日本シリーズ2016
■今季から本塁も
23日の第2戦。同点の六回、広島の攻撃だった。菊池の左前安打で二塁走者・田中が本塁へ突入。日本ハムの左翼手・西川が好返球をみせ、判定はアウト。しかし、録画された映像では捕手のタッチが確認できず、判定はセーフに。これで試合の流れは広島に傾き、一気に日本ハムを突き放した。
「このプレーをセーフにしたら野球の醍醐味(だいごみ)がなくなりますよね」。テレビで達川光男氏(元広島監督)や江本孟紀氏(元阪神投手)らがそう感想を漏らすと、ネットでは「誤審でゲームが台無しになったことを考えれば、ビデオは必要」「スーパープレーで最高潮の時に『ビデオみたらセーフだった』と言われたら士気も下がるわ」などと意見が飛び交った。
プロ野球のリプレー検証は2010年に導入され、昨季までは本塁打などフェンス際の打球についてのみ行われた。今季からは本塁上のクロスプレーも対象に。危険防止のため、捕手は走者をブロックしたりすることが出来なくなったためだ。この「コリジョン(衝突)ルール」の確認を含め、審判員が判定に疑義を感じた時にリプレー検証は用いられる。
検証するかはあくまでも審判員…