「嫌われ者対決」とも皮肉られる今回の米大統領選。民主党候補のクリントン氏が着々と優位に選挙戦を進めています。米国初の女性大統領は誕生するのか。厚切りジェイソンとREINAのタレント二人が、クリントン氏の発言をお題に、対談しました。
(*対談は10月18日、東京都内で。聞き手・崔採寿)
息の合ったポーズを見せる厚切りジェイソンとREINA=竹谷俊之撮影
トランプ氏の発言、厚切りジェイソン&REINAが斬る
特集:米大統領選2016
トランプ対クリントン 醜聞、健康不安…揺れる世論を一目で
写真特集で振り返る米大統領選
■「ガラスの天井破った」 オバマがすでに割ってない?
厚切りジェイソン 女性は何でもなれる、ということですね。いままでなった人ができなかったから私がなってやるぞ、というのは、なる理由にならないと思いますけどね。ついでにという意味で。後で個人の実力で勝った、過去形でグラス・シーリング(ガラスの天井)が割れたというのならいいだけど、割れるために選択してくださいというのは違うと思いますね
REINA あれ見なかった? 民主党の党大会で、ヒラリーがわっと出てきて、後ろの映像にガラスがあって、音声でパリーンとなって、満面の笑みで登場する。私はまさにそれは違うと思った
J いいけどさ
手ぶりを交えながら熱く語るREINA=竹谷俊之撮影
R だから、どっからその表現が来たのか分からないけど、ガラスの天井というのが。ガラスっていうのは、自分が一回割っちゃって上がっていくだけじゃん。みんなのあれじゃないじゃん。自分個人のシーリングがあって、それを割って、わあやったみんな、いろんなチャレンジできることがありますよ、私は救われたんだ、という感じがすごい私は嫌で
J まあ、なんかね、たとえで考えると、一回割れたら、その後は植物だったら確かに出やすくなるんだけど、全部ぐちゃぐちゃなガラスだから、傷もつけるよね。割れたガラスを通っても、みんな結局死ぬよっていう
R なぜか、英語ってなぜか女性が何かする時、ガラスをよく、よくでもないんだけど、グラス・クリフといって、企業とかだと全然ダメな時に、女性のCEOをあえて継がせて、その人がやる的な。ぼろぼろの状態をすごいプレッシャーを浴びながら女性にする、ていう。ガラスの崖?割れそうなんだけど、割れなければいい、みたいな
J ヒラリーに悪いけど、たぶん黒人であるオバマが大統領になったのは、先にグラス・シーリングが割れていると思います
R また別のね
J そう。別の、というか、今までずっと白人男性だったのを、初めてそうではない人が。破れたからこそ、他の形の人も考えられるようになった、という言い方をすれば、ヒラリーもすごいものじゃない
R ヒラリーは自分大好きなんだよね
J そうよね
R それは見ていてわかる
J 聞いた話だけど、ガソリンスタンドで出会った元カレ、という話わかる? この人は実は私の元カレだよとビルに言ったら。これみんな知っているのかな。こういう話。ビルが言うには、ああ良かったね、僕といたからファーストレディーになれた、と。いやビル違うんですよ、もしその人と結婚してたら、彼が大統領になっていたんですよと。だから、相当な自信がある
R 実力はあると思う
J あるのはあるんですけどね、もちろん
R あの人すごいと思う。20年以上、アメリカの政治でトップにいるわけでしょ。ビルは大統領時代はすごかったけど、そこまでだったし、ヒラリーはずっとキーポジションにいる人だから、そういう意味ではなかなかいないからね。男性でもあそこまで
J まあそうですよね。だから、実力があって今まで頑張ってきたから、今更女性ですってアピールするのは逆効果というか、女性だったからここになれたという……
R 2008年の時、けっこう男性よりだったの、服装とか。スタイリストさんも。スーツとパンツみたいな。(今回は)おしゃれしたいんだよ
J いいけどさ
R 最近増えているよね、おしゃれする政治家
■「肺炎でダウン」 こいつで大丈夫か?
「大統領とはシンボルだ」 硬派なテーマで話題が盛り上がる厚切りジェイソンとREINA=竹谷俊之撮影
J アメリカにとってけっこう大事な儀式の中で大切な、9・11の時に、倒れたからね。これ結構、みんなが真剣に考えている儀式の中で倒れると、余計に「こいつ大丈夫か?」と。倒れたのを見た時、これでダメだと思った。セレモニーも耐えきれなかったら、色んな人が心配して、結局選ばれないんじゃないかと
R 元々、彼女結構体が弱くて、肺炎になったのも何回目かだし、血栓ずっとそうなんですよ。ビルさんもそうなんですけど、ずっと体調不良。体が弱いのは有名な話で
J 体弱い人がなって死んだら困るなと
R あれはちょっと騒ぎすぎだと思う。クリントンチームのハンドリングもすごく悪かった。さっさと車の中に入れさせて、5時間音信不通になって、いきなり娘さんのアパートにいて、まあ大丈夫です、みたいなことを言っているのが、対応の仕方がスマートじゃなかったと思うけど、実際その後のクリントンの体調はどうなんだ、みたいな騒ぎ方は好きじゃなかった
J 最初はすごい体調不良って言っていたんじゃないですか。たぶん、それは誰も知らなかった。多くの普通の一般の人はあまり知らないと思いますよ。で、今回はあまりにも大きく出たから、じゃあ箱を開けて見てみようか、じゃあ過去にもいっぱい問題があったとみんなの意識に飛んだきっかけになった。元々弱かったと言っていたんですけど、それは誰も知らないところで、バーンと目の前に現れたら
R 倒れたことは何回もあったんだけど
J で、それは意外と知られていないと思う
R いいきっかけになった、いいきっかけになったかどうかは分からないけど、何かしらのきっかけになったよね。トランプの健康状態はどうなのか、ヒラリーのはどうなのか、70代の大統領って大丈夫なのか。オバマが今、特に若いし。議論のいいきっかけにはなったと思うけど、あれ見て別に。そんな騒がなくてもいいんじゃないかと私思ったけど。ドクターもオーケー出してるし。逆にトランプの方が公開していないから、自分の健康診断を
J ドクターオーズで何か話していた
R ねえ、自分はスタミナがあるみたいな
J そう
R 健康問題って難しいよね
J 例えば、結構大事な、中国と戦争になる寸前の話し合いで倒れたら、どうするとか
R 副大統領が
J 法律上はそうだけどさ
R アメリカの大統領ってそんなにパワーがある訳じゃないし、大統領が知っていることは、CIA長官もFBI長官も軍隊の長官も副大統領も知っているわけ
J だからこそ倒れたら困るでしょ。印だから
R シンボルだから
J そう、シンボルだから。アメリカのトップが倒れたというヘッドラインが流れる。世界中に
R だからこそ副大統領がいる
J いや、現実上はそうだけど、ヘッドライン的なとらえ方的にアメリカの大統領がどうなっているのかと考えると、トップが倒れると、国が倒れるように見える
R イメージ的にはね。でも
J それが全てですよ
R オペレーション的には全然問題はない
J そうであるなら、結局どれになるかは全く関係ないということになる
R そう、関係ないんだよ、実質。イメージ投票なんだよ
J そう、イメージを選んでいるから、イメージがダメだったらダメじゃないですか。単純にそれ。倒れるやつを選んじゃったなと。ヒラリーが倒れるやつだとしたら、後で何回も。仕事中に倒れるような人だったら
R 一回倒れただけで倒れるやつっていう
J でも元々弱いって
R 仕事ができるか、できないかじゃん。それと、影響力あるかないか。力があるかないか。スタミナ的な力じゃなくてね。政治力っていうか、インフルエンスっていうか、あるかないかによるから、そういう意味では彼女がすごいあんな大々的な場でふらっと倒れたのは、それはそれで衝撃的な場面なんだけど、その後普通に大丈夫だった。これぐらい強いんだよっていうアピールもあった訳だから、私はそれイコール、すぐ倒れる人っていうイメージはまったく無かったし、逆にこの人何があっても負けないなっていう感じの方が強かった
J 負けたじゃない。退場したじゃん
R 負けたっていうか帰ったんだよ。その後すぐに復帰したじゃん
J そう見ている人は多い
R ニューヨークの人だけなんじゃないの
「熱くなってない?」 対談で、議論が白熱しREINAにツッコむこともあった厚切りジェイソン=竹谷俊之撮影
J なぜ熱くなったんですか?
R あれがあった後、すごくコメントをくださいっていうのが来て。一つが、テレビ番組のコメント撮りをしたんだけど、「今実はヒラリーさんに影武者がいて、その人が復活したヒラリーさんを演じているって言っているんですけど、ヒラリーさんに影武者いるんですかね」みたいな感じで聞かれて、は?ってなって。変な質問ばっかりされて
J あの、それ非常に面白い
R 影武者の噂がすごいあったんだよ。オバマにもそういわれた時があって
J だろうね
R オバマにすごい似ている人がいるんですよ。インドネシア人で見たことある?
J 日本にもいますよ
R 日本にもいるの!
J ノッチさん
オバマ大統領とクリントン氏にそれぞれ影武者が? 陰謀説に笑いが漏れた厚切りジェイソンとREINA=竹谷俊之撮影
R やだー。インドネシア人は檄似。びっくりする。オバマに一時期、似ているんじゃないかってすごく言われて、有名になって、もうかったって