予想される選挙人獲得数
米大統領選の投票が8日朝(日本時間同日夜)、ニューヨーク州など東部各州から順次始まった。女性初の大統領をめざす民主党候補のヒラリー・クリントン氏(69)が優位に立ち、過激な発言で既成政治の打破を訴える共和党候補のドナルド・トランプ氏(70)が猛追するという接戦のまま投開票日となった。
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開票は8日夜(同9日午前)に始まり、大勢が判明するのは9日未明(同9日午後)になる見通しだ。
クリントン氏は、連邦捜査局(FBI)が自身のメール問題で捜査再開を公表すると、トランプ氏の攻勢にさらされるなど苦戦を強いられた。8日未明、ノースカロライナ州で最後の演説を行い、「分断か、結束かの選択だ」と訴えた。人気歌手レディー・ガガさんやジョン・ボン・ジョビさんも登壇した。
一方、トランプ氏も8日未明、最終日の遊説先としては5州目となるミシガン州で集会を開いた。トランプ氏は、製造業などがさびれて「ラストベルト(さびついた地帯)」と呼ばれる地域を意識し、雇用創出を強調。「冒険が始まる。米国を再び偉大にしよう」と支持を呼びかけた。
大統領選は、州ごとに割り当てられた計538人の選挙人を勝者総取り方式(2州をのぞく)で取り合い、過半数の270人以上を取れば勝利となる。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、日本時間の8日午後5時現在、クリントン氏が203人を、トランプ氏が164人をそれぞれ確保したとされる。
勝敗の行方は、接戦州のなかでも、選挙人の数が多いフロリダ(選挙人29)やオハイオ(同18)の結果が大きな影響を及ぼす。追いかけるトランプ氏は、この2州を取ることが勝利の条件となり、落とせば断然、クリントン氏の勝利が濃厚になる。
大統領選と同時に、連邦上院選(定数100、改選34議席)と下院選(定数435、全議席改選)、12州の州知事選も行われ、即日開票される。(ワシントン=金成隆一)