国内携帯電話出荷台数
2016年度上半期(4~9月)に、国内向けに出荷された携帯電話は前年同期比10・9%減の1518万台で、半年間としては00年度の調査開始以来最低だったことがわかった。総務省が「実質0円」などの過剰な値引きを禁止したためだ。特に国内勢の落ち込みが大きく、通信大手3社だけに頼らない戦略にかじを切り始めている。
MM総研が10日発表した。スマートフォンは同8・4%の減少。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク(ワイモバイルを含む)の大手3社向けスマホが同13・1%減だった一方、格安SIM業者向けのスマホは同79・1%増えた。大手の安売りが減ったことで利用者が格安業者に流れたとみられる。従来型携帯(ガラケー)は同19・7%減だった。
スマホのメーカー別では、スマホ全体の約5割を占めるアップルが同3・1%減の617万台だった。アップルのシェア1位は「iPhone(アイフォーン)4s」が出た11年度下半期から10半期連続だ。今年9月発売の「7」は当初の出荷が少なく、統計への影響はほぼなかったという。
国内勢ではシャープが同46・4%減、ソニーモバイルコミュニケーションズが同28・5%減。ともに通信大手3社を中心に端末を供給している。一方、格安SIM業者向けの出荷が増えた富士通は同3・2%減にとどまった。京セラは、ソフトバンク系のワイモバイルで売る端末が好調で同4・9%増えた。
MM総研は「スマホ、ガラケーともに買い替えのサイクルが延び、同じ端末を長く使うようになっている」と分析している。(上栗崇)