病院の建物に突っ込んだ乗用車(ナンバーにモザイクをかけています)=10日午後3時12分、栃木県下野市の自治医大付属病院、吉田貴司撮影
10日午後2時5分ごろ、栃木県下野市薬師寺の自治医科大学付属病院で、病院の敷地内を走っていた乗用車が正面玄関脇のバス停に突っ込み、ベンチに座っていた女性をはねた後、通路に乗り上げて鉄柱と壁にぶつかってとまった。女性は頭を強く打って間もなく死亡し、避けようとした女性2人も重軽傷を負った。
県警によると、車を運転していたのは茨城県古河市中田の小久保益男さん(84)。病院の内科で治療を終えて帰宅する途中だったという。現場にブレーキやスリップの跡はなく、県警は何らかの運転ミスが原因とみて、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いも視野に事情を聴いている。認知症などの症状はないという。
死亡したのは東京都港区白金台3丁目の和田八重子さん(89)。通路を歩いていたさいたま市の女性(85)は車を避けようとして転倒し、足を骨折する重傷。一緒にいた娘(58)も転んで軽いけがをした。運転していた小久保さんも背骨が折れて入院した。同乗者はいなかった。
病院の玄関付近にいた女性(60)は「駐車場の方からキーッという音を立てて勢いよく車が飛び出し、人の座ったベンチにぶつかった」と話した。小久保さんと見られる男性は自力で車から降り、その場に立ち尽くしていたという。