「まなぶ 通信制中学 60年の空白を越えて」から。授業を受ける2人の生徒=グループ現代提供
東京都千代田区立神田一橋中学校には、戦中や戦後まもないころ中学校に通えなかった人が学ぶ通信教育課程がある。そこで勉強するお年寄りを追った記録映画「まなぶ 通信制中学 60年の空白を越えて」が完成し、16、18日に東京都内で試写会が開かれる。青春を取り戻そうとするかのような姿を通じ、学ぶことの意味を問いかける作品だ。
中学の通信課程は、義務教育が小学校までだった戦前、戦中に小学校を卒業したが中学校は卒業していない人を対象に、1948年に全国にできた。文部科学省が把握している限り、神田一橋中と大阪市立天王寺中の2校だという。
映画は撮影、監督、語りをフリーの映像ディレクター太田直子さん(51)が務めた。2009年から14年まで神田一橋中に通い、6人の高齢者らを撮った。夜間中で講師をした経験があるが、通信制中学の存在も知り、もっと知りたいと映画を作ることにした。