日本のアニメ界の巨匠・宮崎駿監督が今月5日、80歳の誕生日を迎えた。同日、宮崎監督の代表作「となりのトトロ」の唯一の公式中国語(簡体字)版絵本が上海で刊行された。中国新聞網が報じた。
スタジオジブリ製作の長編アニメーション映画「となりのトトロ」は、1988年に日本で公開されて爆発的大ヒットを記録。その人気は世界へと波及し、米国やフランス、スペイン、ドイツ、ロシア、スイス、イタリア、アイスランド、韓国、スウェーデンなど27ヶ国・地域で公開された。そして、世界トップレベルの映画やアニメの賞を24賞を受賞した。それから30年後の2018年、「となりのトトロ」は中国大陸部でついに公開され、興行収入は4日で1億元(1元は約15.95円)を超えた。
こうした「となりのトトロ」の爆発的人気により、世界が日本のアニメーション映画に注目するようになっただけでなく、日本の子供たちにとってはトトロが、まるで英国の子供にとって知らない子供はいないと言われるほどの人気を誇る「くまのプーさん」と同じくらい、広く知られる存在となった。英紙「インデペンデント」は、「となりのトトロは、史上最も偉大なキャラクターの一つ」とし、「ピュアでありながら、人に敬意を抱かせる存在」と形容している。日本の巨匠・黒澤明監督が「選んだ百本の映画」にも「となりのトトロ」が入っていた。そのリストに入っていたアニメーション映画は「となりのトトロ」だけだった。
宮崎監督は、「となりのトトロ」の企画書で、「『となりのトトロ』の目指すものは、幸せな心温まる映画。楽しい、清々した心で家路をたどれる映画。恋人たちはいとおしさを募らせ、親たちはしみじみと子供時代を思い出し、子供たちはトトロに会いたくて、神社の裏の探検や木のぼりを始める。そんな映画をつくりたい」としている。
「磨鉄図書」が企画・刊行した中国語(簡体字)版の「となりのトトロ」の絵本は、スタジオジブリが全てのプロセスを監修。表紙から、組版、印刷に至るまで、スタジオジブリから細かい所に至るまでパーフェクトに仕上げるよう厳格な要求があったという。そして、最終的に、映画の映像をそのまま採用して丹念に作り上げられた絵本が完成。未公開の非常にレアなイラストなども初めて収録された。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年1月7日