「トランプ・プレース」から次々撤去される、マンション名の文字盤=16日午前、ニューヨーク、矢木隆晴撮影
ドナルド・トランプ次期米大統領(70)の名を冠した米ニューヨーク市内のマンションから「トランプ」の名前が消えることになり、16日、建物正面に掲げられた文字盤を撤去する作業が始まった。米メディアによると居住者から名称変更の要望が出ていたという。
特集:ドナルド・トランプ氏
米ABCなどによると、名称が変わるのはマンハッタン西岸でハドソン川沿いに立つ3棟の高層マンション「トランプ・プレース」。トランプ氏が香港の資本家と1990年代に開発し、2005年にマンションを買った別会社が同じ名前で運営を続けていた。10月には一部の居住者が「トランプの名を取り除け」との署名運動を実施。200人分以上の署名が集まっていたという。
現在の所有会社「エクイティ・レジデンシャル」は15日、居住者に「名称変更は現在の居住者、将来住む人たちにとって、より中立的な存在になるように考えている」と通知した。
16日午前、作業員が「T」から順番に、次々と文字盤を撤去していった。今後は「リバーサイド」など住所を元にした名称を検討するとみられる。
マンションの前を毎日散歩するというデイビッド・リームズさん(44)は「こんなに早くやるとは思わなかった。毎日見るのも嫌だったから、明日からすっきりだね」と笑った。
米メディアは、トランプ氏の企業グループの中核企業「トランプ・オーガニゼーション」の「(名称変更は)双方の合意の下で、以前から決まっていた」というコメントを報じている。(ニューヨーク=杉崎慎弥)