総務省は18日、携帯電話の行きすぎた値引き販売を禁じる新しい指針の案を発表した。来年6月以降に売り出される端末の価格について「2年前の同型機種の下取り価格以上」と規定する。また、大手で買った端末が他の会社では使えない「SIMロック」期間は、今の6カ月から「100日程度以下」に縮め、一括払いなら数日にする。
19日からパブリックコメントの手続きに入り、来年2月から順次適用する。仮に「iPhone(アイフォーン)7」に新しい価格ルールを当てはめると、2014年発売の「6」の下取りは現在3万円前後のため、各社はそれ以上で売る必要がある。利用者にとっては負担増になる場合もあるが、総務省料金サービス課は「新機種の方が安いのは不合理だ」と説明する。
総務省が今年4月に導入した指針は端末を「合理的な額」で売るよう求め、実際には「実質負担額が1万円程度以上になるように」と指導していた。ただ、各社が「実質0円」などの値引きを続けたため、同省は10月にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクを行政処分。今回、規制強化に踏み切った。
SIMロックは、一括払いなら販売店への入金を通信各社が確認し次第、解除できる。また大手3社で端末を買い、同じ会社の回線を使う格安SIM業者に乗り換える場合は、端末を買ってすぐでもSIMロックがかからないようにする。大手から格安SIM業者に乗り換えやすくすることで、業界全体に料金の引き下げを促す狙いだ。(上栗崇)