日経平均は一時1万8043円と約10カ月ぶりの高値をつけたが、終値は1万8000円を割り込んだ=18日午後、東京都中央区
米大統領選でのトランプ氏勝利後、円安・株高が続いている。トランプ氏の経済政策への期待に加えて、米国で12月の利上げの可能性が高まり、米国で金利が上昇。円安ドル高となり、株価が上がっている。トランプ氏の政策は不透明な点も多く、過熱気味の値動きの反動も懸念される。
特集:ドナルド・トランプ氏
■米金利上昇、進む株高
「トランプさんのおかげで株式投資は非常に盛り上がっている」。国内株を数千万円運用する都内の個人投資家(24)は喜びを隠さない。トランプ氏が勝利した9日に買った株を数日後に売却して、数百万円の利益を得たという。
18日の東京金融市場では、ドルを買って円を売る動きが加速。1ドル=110円台後半と、約5カ月半ぶりの円安水準になった。株式市場では自動車など輸出関連株に買い注文が相次ぎ、日経平均株価は、一時10カ月ぶりに1万8000円を超えた。
大統領選当日まで「トランプ勝利」はリスク要因だった。9日の開票でトランプ氏が優勢になると、リスク回避のため「安全資産」の円が買われ、円高で株価は下がった。ところが勝利後は反転。10日からの7営業日で円相場は5円以上円安になり、日経平均は1700円超も値上がりした。
トランプ氏は勝利後、過激な言動は鳴りを潜め、保護主義への懸念が後退する一方、減税やインフラ投資への期待が高まった。景気拡大の期待感から、米国の金利は大統領選直前の1・8%台から2・3%程度に上昇。ダウ工業株平均は最高値圏で推移している。
米国の金利上昇で、ドル買い円売りとなって円安となり、東京市場でも株価が上昇。輸出株だけでなく、トランプ氏の政策で収益増が見込まれる「トランプ銘柄」の防衛、建機、製薬株なども買われている。