20日、リマで開かれているAPECの首脳会議で言葉を交わすオバマ米大統領(左)とロシアのプーチン大統領=代表撮影
ロシアのプーチン大統領は20日、ペルーのリマで開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)の会議場で、オバマ米大統領と約4分間立ち話した。オバマ氏の任期は来年1月まで。これが両大統領の最後の会談となりそうだ。
ロシアのペスコフ大統領報道官によると、親ロ派が東部を支配したまま散発的な戦闘が続いているウクライナ危機に前進が見られないことについて、両大統領は共に残念だという考えを表明。内戦が続くシリアについては、オバマ氏の残り2カ月の任期の間も危機打開を目指し、ロシアのラブロフ外相とケリー米国務長官の接触を続けることで合意したという。
ホワイトハウス当局者によると、オバマ氏はプーチン氏に対し、ウクライナ政府と親ロシア派との停戦を決めた「ミンスク合意」を守るように求めた。シリア問題については、シリア国民に対する暴力と被害を低減させることで一致した。
オバマ氏は2013年9月にロシア・サンクトペテルブルクで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議に参加したのが最後のロシア訪問。プーチン氏は、昨年9月に米ニューヨークで開かれた国連総会に出席している。プーチン氏が12年に4年ぶりに大統領に復帰後、両大統領の会談は国際会議の機会を利用した比較的短時間のものだけで、じっくり意見交換する機会はなかった。プーチン氏は、来年1月に就任するトランプ次期米大統領と米ロ関係立て直しを図る考えだ。(リマ=駒木明義)