産業医科大病院=10月21日、北九州市八幡西区、金子淳撮影
20日午後0時20分ごろ、北九州市八幡西区の産業医科大病院で、輸液の入った点滴1袋に穴が開いているのが見つかった。使用前の袋で患者に影響はなかった。福岡県警が器物損壊容疑で調べている。同病院では10月にも、患者に投与中のものを含む点滴3袋に穴が開いているのが見つかっている。
患者の点滴に穴、鎮痛剤アンプルなくなる 北九州の病院
折尾署によると、穴の開いた袋が見つかったのは10月と同じ病棟の9階にあるナースステーション。看護師2人が使用前の点滴袋を点検中、輸液がにじみ出た袋があるのに気づいた。針で開けたような小さな穴が1カ所あったという。
10月の事件を受けて、病院はナースステーションに監視カメラを設置した。だが、穴の発見時は保安点検のため9階は停電中で、カメラは作動していなかった。点滴袋は同日午前11時25分ごろ、地下の調剤部から鍵のかかったケースに入れて9階に運ばれたばかりだった。調剤部での点検では異常は見つからなかったという。
病院によると、20日は休診日で外来患者はおらず、病棟には病院関係者と入院患者、見舞客が出入りできる状態だったという。
同病院では10月20日、点滴3袋に穴が見つかり、薬品保管庫などの鍵束と保管庫にあった鎮痛剤の容器2本がなくなった。県警が調べたところ、点滴袋から異物は確認されなかった。鍵束と鎮痛剤は今も見つかっていない。病院は鍵の管理の徹底や監視カメラの設置などを盛り込んだ再発防止策をまとめ、九州厚生局と北九州市に報告した。
病院は森山寛理事長と佐多竹良病院長の連名で「再発防止に全力を尽くしてまいりましたが、多くの皆さまに、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心より深くおわび申し上げます」とのコメントを発表した。