名古屋城天守閣の入り口に「大規模地震で倒壊する危険性が高い」などと警告する看板を設置する市職員ら=18日、名古屋市中区、戸村登撮影
天守閣から初日の出見物をどうぞ――。名古屋市は年越しで名古屋城を公開し、天守閣にも上れるようにする。だが、発案した河村たかし市長は、大きな地震が来たら城が倒壊する危険性を知らせる看板を立てさせたばかり。担当局は「矛盾するのでは」とPRも控えめだ。
名古屋城天守閣「大地震で倒壊恐れ」 看板設置に戸惑い
市によると、12月31日午後11時~1月1日午前8時に開城する。元日は午前9時~午後5時にも開門する。夜は灯籠(とうろう)を使った幻想的な雰囲気の中、「名古屋おもてなし武将隊」も出演して年越しのカウントダウンをする。年越しの名古屋城公開は、名古屋開府400年記念で開いた2009~10年以来だ。
名古屋城の有料入場者数は昨年度約174万人。今年度はイベントが好評で200万人をうかがう。市は年越しイベントで一層の集客増を狙う。230万人の初詣客を集める熱田神宮からの流入も期待している。
だが、天守閣周辺の3カ所には、市が今月18日、「大規模地震で倒壊する危険性が高い」と警告する看板を設置したばかり。いわば、「危険な場所でのおもてなし」。市名古屋城総合事務所は「矛盾が生じる」として、積極的な宣伝を控えているという。(嶋田圭一郎)