駅のホームの隅に貼られた児童虐待防止を訴えるステッカー。A4判ほどの大きさで、泣く子どもの写真に「だれか」と助けを求めるメッセージが書かれている=JR大阪駅
わたしを見つけて――。今月の「児童虐待防止推進月間」に合わせ、JR大阪環状線の全19駅で、子どもへの虐待防止を訴えるポスターとステッカーが貼られている。30日まで。目立たない場所にあえて掲げ、自宅など閉鎖された場所で起こる児童虐待の気づかれにくさを表したという。
特集「小さないのち」
NPO法人「児童虐待防止全国ネットワーク」(東京)が企画。泣いていたり、悲しい表情をしたりしている子どもとともに「たすけて」「ここだよ」「ふりむいて」といったメッセージが添えられている。
駅のホームやコンコースの柱の陰、階段の脇、ベンチの背もたれの裏など計200カ所に掲示している。子どもへの虐待は、自宅など周囲が気づきにくい場所で起こることが多く、そうした実態を知ってもらうため、目立つ場所ではなく、探さないと見つからないようなところに貼った。
オレンジ色のリボンで児童虐待防止に取り組む同ネットワークの呼びかけに、同じ色の車両が走る環状線を持つJR西日本が応じた。
厚生労働省のまとめによると、全国の児童相談所が対応した児童虐待は昨年度に初めて10万件を超えた。中でも大阪府は約1万6千件で、1割以上を占める。
ポスターやステッカーを見つけた人がSNSなどで広げ、多くの人に児童虐待の問題に関心を持ってもらう狙いもある。同ネットワークは、インターネットを通じたクラウドファンディング(
http://japangiving.jp/p/4882
)で活動への支援を募っている。(広島敦史)