アイスダンスのショートダンスで演技するテッサ・バーチュー、スコット・モイヤー組=白井伸洋撮影
フィギュアスケートNHK杯のアイスダンスで、新旧の世界王者3組が滑るレベルの高い争いが繰り広げられた。
NHK杯を写真で
フィギュア特集 Kiss and Cry
トップに立ったのは、2010年バンクーバー五輪金メダルで、世界選手権を2度制した経験を持つバーチュー、モイヤー組(カナダ)。今季、3季ぶりの復帰だが、スケートの刃を深く倒し、かつ、息を合わせたステップは健在。ショートダンス(SD)で今季最高の79・47点を稼いだ。モイヤーは「休んでいる間にアイスダンスのレベルが上がり、萎縮しそうになる。ただ、若い才能と一緒にできることは素晴らしい」。
世界選手権2連覇中のパパダキス、シゼロン組(仏)はミスがあり、75・60点で2位発進。やや不満げだったシゼロンは「明日はもっとよくしたい」。2人は、ライバルであるモイヤー組と同じコーチの指導を受け、刺激し合う環境にある。争いの激しさについて、「様々なスタイルの組がアイスダンスを魅力的にしていることは素晴らしい」と歓迎した。
72・00点で3位のカッペリーニ、ラノッテ組(伊)のカッペリーニは「どの組が勝つのか、予測できないということは、私たちには怖いことだが、見ている方には楽しんでもらいたい」。3季前の世界選手権優勝カップルは、現在は追う立場であることを認識し、「シーズン後半に向けて、もっと高めていきたい」とさらなる成長を誓った。(後藤太輔)