ジャカルタのミャンマー大使館前で25日、アウンサンスーチー氏のポスターを掲げて抗議するデモ参加者=AP
ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問が実質的に率いる新政権によるイスラム教徒ロヒンギャへの対応をめぐり、国際社会の非難が高まっている。周辺国ではミャンマー政府に対する抗議デモが起き、欧米からは新政権の対処能力を疑う声が漏れ始めた。
特集・アウンサンスーチー
「ロヒンギャの虐殺者であるアウンサンスーチーに法の裁きを」。国民の約9割がイスラム教徒のインドネシア。首都ジャカルタのミャンマー大使館前で25日、スーチー氏を非難するポスターを掲げた学生ら200人近くが抗議した。
イスラム教が国教のマレーシアでも同日、ロヒンギャ難民を含む約500人が首都クアラルンプールのミャンマー大使館前などに集結。抗議デモはこの日、タイのバンコクやバングラデシュのダッカでもあった。
周辺国でミャンマーへの反発が広まる発端になったのは、ミャンマー西部ラカイン州のバングラデシュとの国境地帯で10月9日に始まったロヒンギャとみられる武装集団と治安部隊との戦闘だ。これまでに86人が死亡、ロヒンギャ住民を中心に約3万人が避難民になったとされ、一部がバングラデシュに逃れた。
戦闘では治安部隊によるロヒン…